さといもちゃんの本家VT一本積立投資の方針

概要

私は米国ETFであるVT(Vanguard Total World Stock Index Fund ETF)の積立投資を約三年間続けています。今回の記事では、現時点の自分の投資方針を整理してみました。

最初に断っておきますが、投資方針は人それぞれでよいと思いますし、そうあるべきです。どんな投資方針を選択すれば、自分の望む結果を実現できるかなんて、少なくとも私にはわかりません。自分の投資方針が優れているとも考えていませんし、他人の投資方針を批評する気も全くありません。そもそも、求められてもいないのに人の投資方針を批評するなんて野暮なだけです。ただ、VT一本の積立投資をすることに決めた私の方針が、誰かに参考になるかもしれないと思い簡単にまとめてみた、というわけです。

それでは本題です。まず、私の投資方針は以下の二点を受入れられることが前提になります。

  • 十年単位の長期では『全世界株式インデックスファンド』のリターンがプラスになる、と信じることができる。
  • 十年単位の長期間、積立投資を継続する意思がある。

その上で、私の投資方針を箇条書きにまとめると以下の通りです。

  • 基本となる金融資産は、預金と『全世界株式インデックスファンド』のみの二種類とする。
  • 預金は『生活防衛資金』と『一年以内に支払が確定している支出分』のみとする。
  • 『生活防衛資金』は六か月分の生活費とする。
  • 『生活防衛資金』と『一年以内に支払が確定している支出分』以外の資金は『余剰資金』とする。
  • 『余剰資金』が発生したら、速やかに『全世界株式インデックスファンド』に一括で全額投資にまわす。
  • 『生活防衛資金』が不足したら、躊躇せず『全世界株式インデックスファンド』を部分解約する。

以上について、もう少し詳しく補足したいと思います。

【参考記事】本家VT積立投資の実績公開:月末時点の積立状況の一覧

保有する金融資産

私が保有する主な金融資産は預金と『全世界株式インデックスファンド』です。後述しますが、『全世界株式インデックスファンド』の具体的な投資商品はVTです。

正確には『勤務先の持株会制度による自社株』を保有したり、企業型確定拠出年金なども利用しています。ですが、これらについては個人を特定される可能性があるため説明を割愛します。また、現金、電子マネー、外貨も保有しております。しかし、これらの合計金額は三万円にも満たないため考慮しないことにします。ちなみに、貯蓄性の保険にも加入していません。

預金

預金は銀行の普通預金です。会社からの給与受取、各種料金支払、クレジットカード引去などに加え、『生活防衛資金』と『一年以内に支払が確定している支出分』を保有するために利用しています。私が保有する無リスク資産は、基本的に普通預金のみです。

『全世界株式インデックスファンド』:VT

『全世界株式インデックスファンド』として私が選んだ投資商品は米国ETFのVTです。私の保有するリスク資産は現在VTのみです。現在も積立投資継続中です。

投資商品は一つだけです。一つだけと決めたのは単純に管理の手間が少なくて済み、かつ自分が最終的にどの企業にどのような比率で投資しているか明確だからです。過去に国内個別株式や種々の投資信託に投資した経験もありますが、明確な理由がないなら投資商品をむやみに増やさない方がよいと考えております。複数の投資商品を保有することが趣味の人を止める気はありませんが、自分が何にどのような配分で投資しているのか説明できないなら避けた方が無難です。

唯一の投資商品として『全世界株式インデックスファンド』であるVTを選んだ理由はいくつかあります。例えば、投資対象の資産クラスが期待収益率の大きい株式であること。連動指数がFTSE-GACI(グローバル・オール・キャップ・インデックス)であり、投資対象銘柄が全世界の8,000超(投稿時点)の企業で構成され世界に広く分散されていること。更に銘柄構成比が時価総額加重平均となっており世界株式の市場ポートフォリオに最も近い投資商品の一つであること。手数料が十分低いこと。総資産額が大きいこと。米国ETFのため分配金課税と多重課税については投資信託より不利になる要因が存在するものの、投資信託のもつファミリーファンド構造に起因する不透明さが少ないこと。そして、運用会社バンガードに対する信頼、などと言ったところです。特に投資対象が全世界株式ということで、仮に将来世界情勢が変化したとしても、投資商品の変更が必要となる可能性が低いという点が決め手になりました。

ちなみに、米国企業のみに投資するVTIも候補として検討しましたが、最終的にVTIではなくVTを選択しました。理由は、自分自身による判断を可能な限り少なくするためです。

米国企業群は、あくまで市場ポートフォリオの部分集合です。過去の米国企業の成長性、世界株式に占める時価総額比率、世界情勢、各国の税制などを鑑みて、“米国のみに投資した方が望ましい”と考える人が現れるのは私も当然と考えます。しかし、米国のみに投資することは、市場ポートフォリオに投資することに対して、わずかとはいえ余計な自己判断をしていることになります。この“米国のみに投資した方が望ましい”という自己判断を、凡人の私は非常に警戒しており避けるべきと考えます。自分に投資の才能がないと考える人は蛇足な自己判断を避け、VTに投資する方が賢明と私は思います。余談ですが、市場ポートフォリオから乖離するほど自分の投資方針の一般性が損なわれて、美しさに欠けるようにも感じます。

【参考記事】本家VTと楽天VTと雪だるま(全世界株式)との比較

【参考記事】本家VTの代わりに楽天VT、雪だるま、オルカンを比較した覚書

預金で確保する資産

預金として保有する資産は以下の三つです。これらを超えた預金は全て『余剰資金』になります。

  1. 『一年以内に支払が確定している支出分』:現在はありません。
  2. 『生活防衛資金』:六か月分の生活費である90万円
  3. 『生活防衛資金』のバッファ:二か月分の生活費である30万円

『一年以内に支払が確定している支出分』

言葉通りですので説明不要と思いますが、心配性の私は一年以内に確実に支払が必要となる資金は預金として確保することにしています。ただ、過去に確保した機会は、自動車購入代金の支払と歯列矯正代金の支払の二回のみです。目安としては30万円以上必要になる場合に、『一年以内に支払が確定している支出分』として確保しています。

『生活防衛資金』

これも言葉の通り、緊急の予期できない支出に備えて確保している資金です。

生活防衛資金の考え方については、山崎元さんの考え方に依るところが大きいです。ご参考ですが、『投資に回さない「生活防衛資金」は3カ月分で十分といえる理由』(ダイヤモンドオンライン)という記事を読まれるとよいと思います。

結論から言うと、私の生活防衛資金は六か月分の生活費90万円です(一か月の生活費は15万円)。将来的には三か月分相当の45万円まで減額しようと考えていますが、まだ躊躇しています。

山崎元さんの意見の通り、数日で現金化できる投資商品に投資しているならば、生活防衛資金は最小限でよいと考えております。万が一含み損を抱える状態でも、必要な金額だけ部分解約すればよいだけですので。それよりも、1円でも多くの『余剰資金』を一日でも長く投資にまわした方が合理的です。

『生活防衛資金』のバッファ

日常生活でのお金の出入りが発生する状況で、『生活防衛資金』として常に90万円以上の預金を確保するため、更に30万円のバッファを設けています。このため、『生活防衛資金』とそのバッファと合計額である120万円を超えた預金を『余剰資金』として投資にまわしています。30万円は二か月分の生活費に相当します。

『余剰資金』は速やかに海外ETF(VT)に投資

繰り返しになりますが、『生活防衛資金』が六か月分の生活費90万円。日常生活で出入りする『生活防衛資金』のバッファが二か月の生活費30万円。これらの合計である120万円を超えた預金は全て『余剰資金』になります。

基本的に『余剰資金』が発生したら速やかに全額VTの積立投資にまわします。数年前まではVT買付の手数料が有料だったため、買付時に『手数料負け』とならないため、50万円以上貯まってからVTを買付けていた時期もあります。しかし、今では買付手数料が無料化(SBI証券など)されましたので、1口でも購入できるならば速やかに『余剰資金』をVTの積立にまわします。

『余剰資金』を速やかに投資にまわすことで、リターンの期待値がより大きくできます。『余剰資金』を預金のまま保有する行為は機会損失なのです。

『余剰資金』を一括で全額投資にまわすことも、リターンの期待値を大きくするためです。賞与などで大きな額の『余剰資金』を得た際に、高値掴みとなる可能性を嫌って、敢えて一括で投資せず分割で投資するという考え方もあります。ですが、分割投資の場合、一部の資金をすぐに投資にまわさず一定期間預金のまま保有することになります。このため、前述のように機会損失が発生し、その分だけリターンの期待値が小さくなります。

冒頭に書いた前提の通り、私は長期的には分配金も含めたVTのトータルリターンがプラスとなることを信じており、少なくともあと20年以上はこの積立投資を継続するつもりです。そうであれば、『余剰資金』が発生したら速やかに全額VTの積立投資にまわす方が、理にかなっていると考えています。

極端な例ですが、『値上がりを期待して投資する投資商品に対して1,000万円を投資する場合、1年に100万円ずつ10年かけて積立投資する』という考え方はナンセンスですよね。

補足:『生活防衛資金』が不足したら海外ETF(VT)を部分解約

そして、大切なことなので最後にもう一度。『生活防衛資金』のところでも書いたので繰り返しになりますが、『生活防衛資金』を最小限にできるための前提は数日で現金化できる投資商品に投資していることです。そして、万が一予期しない大きな支出が必要になったときは、躊躇せず投資商品を部分解約しなければなりません。これを実際に行動できるかできないかが、一番重要なのではないかと考えます。

コメント

  1. 非常に分かりやすい方針です。
    是非参考にさせていただきます。

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  2. 簡潔でわかりやすい良い投資方針だと思います。私はeMAXIS Slim 全世界株式と現金で投資をしているので参考にさせていただきます。

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